
【九州山地サバイバー|地域消滅の実録ミステリー】 「私が今ここに立っているのは、一つの奇跡であり、最期の観測です。」 3つの県にまたがる九州山地(大分県、熊本県、宮崎県)。 竹田、高千穂、阿蘇を中心としたこの広大な山岳地帯では、観光の賑わいは度々あれど、その裏側では数十年の歳月をかけ、数万人単位の人間と1500年の歴史が音もなく消え去る「同時多発的な地域消滅」が進行しています。 なぜ、これほどの歴史と信仰を持つ地が、今これほど急速に失われようとしているのか。 山間部の道路は滑稽なほど綺麗に整備されながら、驚くほど交通量は少ない。そして、限界集落は順番に土にかえっていく消滅カウントダウン。 かつて当たり前にあった暮らしが、誰にも気づかれず消滅していく――。 その凄惨な現場に立ち、過去の事実と比較し、今何が起きているのかを正しく記録できる者は、多層的な背景を持つ私以外には誰もいません。 私は、地質学を究めた父から「大地の成り立ち」を俯瞰する視点を授かり、母の血筋である『日本書紀』編纂者の末裔として「消えゆく記憶」の実感が心の内側にあります。自家の墓の隣から出土した「古代の鎧」の重み